アルガンの木はモロッコ南西部にのみ生育する樹木です。成木は樹高7メートルにも及びます。 数か月〜数年の乾期に耐えることができ、一度の雨を無駄にせず水分をたくわえ、雨後すぐにまた緑の葉を繁らせる力をもちます。

かつてはモロッコ全土に自生していましたが、乱伐によって数が激減し、現在ではモロッコ南西部周辺のたったの32,000平方マイルの地域が主な群生地となっています。
強い根茎により、土壌を保持し肥沃性を保ち、モロッコの多くの地域において砂漠化の脅威をもたらしている水風による浸食から土壌を保護しています。
サハラ砂漠の拡大を食い止める環境資源でもあることから、この地域はユネスコの生物圏保護区域に指定されており、 現在、アルガンの林はすべて国有林となり、7〜8月の2ヶ月間の間のみ、アルガンの実を収穫することが許可されています。

アルガンオイルは、アルガンの実から得られる植物オイル。 100kgの果実からわずか1リットルほどしか得られない、とても希少なオイルです。

8,000万年前からこの地に自生しており、古代フェニキア人が健康素材としてすでに使用していました。

モロッコでは昔から伝統的療法の中で、皮膚病ややけど、水疱、炎症などの治療に使われており、その有用性から、別名「モロッコの黄金」や「若返りのオイル」とも称されます。

体内の脂質の酸化を防止する働きがあると言われるビタミンEが豊富に含まれ、抗酸化作用にすぐれているため、美容オイルとしてお肌に使用した場合も、日照による日焼けの心配がありません。

昔は現地の人々による手搾りで採集されていましたが、現在化粧品などに加工・商品化されるようになってからは機械絞りもおこなわれるようになりました。 しかし、機械絞りにすると熱でオイルの成分が変質することが考えられるため、手搾りにこだわって採集するメーカーもあるようです。